となりに座ったおじさん(おじいさん?)とは初めのうちは全く話さなかったのだが、なんかずっと一言の会話もなく、11時間も過ごすのはつらいと思い、食事の時に話しかけてみる。この人はスチュワーデスさんが新聞を配っているときにドイツ語の新聞をもらっていたので、とりあえず「Do you speak English?」と聞いてみる。こういう場合「Can you speak...?」とはじめてしまうと、あとで恥ずかしい思いをするということはすでに勉強済みである。(^^;) たいていの人は自分より上手な英語を話すので、「Can you...?」と言ってる自分の方がしゃべれないんですから...まぁ、もっというと向こうの人はそんなことすら気にしてないからいいんですけどね、はっきり言って。
で、答えはやっぱり「Of course.」であった。あぶないあぶない。で、次の質問がいけなかった。「Where are you from in Germany?」と言ってしまった。ドイツ語の新聞を頼んでいたので、てっきりドイツ人の人かと思ってしまったのが間違いである。この人はフィンランド人の人だったのである。あとから考えればスイスやオーストリアの人もドイツ語の新聞を頼む可能性があるという、基本的なことが抜けていた。まぁ、この人は別に怒ったわけでも、気分を悪くしたでもなかったので「すいませんでした」と謝って済んだんですけど。
しかし、それにもめげずにいろいろと話をすると意外にも話が盛り上がった。まず、彼はお医者さんで東京開かれる会議(?)かなんかに出席する予定で今回来日した。しかし、すでに何回も日本には来ているそうだ。さらに一番良かったのは彼の家のあるフィンランドはタンペレという街に私が今回の旅で行ったという点であろう。ムーミン谷やサルカンニエミ(展望台)について自分が知っていたため、彼は驚いていた。その他、フィンランドのことや、なぜかスペインのBilbaoについても話が合い、その他にもいろいろな話をした。
そうこうしているうちに結局今回も全く寝ないで成田に到着してしまった。フィンランド語で「さようなら」がわからなかったので「Auf Wiedersehen!」とドイツ語で挨拶をしてお別れをした。別に英語でも良かったんですけどね、よくよく考えたら。入国の際に出国のスタンプについては何も言われなかったので全然問題ないんでしょう。税関を通るときに男一人で2ヶ月も旅行してきたとなると、鞄を丹念にチェックされるんではないかと思い、もう一度ペルピニャンの彼女を待つことにする。自分は座席がいいとこだったのでたぶん最初に出られたと思うので、待てば来るだろうと思っていた。しかし、15~20分ぐらい待っても来ないのであきらめようかと思っていたところに、やっとこ来た。
彼女も自分に頼みがあり、お互い助かった。(^^;) そのあと、空港で1時間ぐらいお話をしてお別れする。帰りも京成線に乗って日暮里に行き、山手線で東京へ行く。お腹がすき、そばが無性に食べたかったのだがこういうときに限って見つからず、ラーメンを食す。普段なら、あんまりおいしくないレベルのラーメンだったが、久しぶりに食べるラーメンなのでうまく感じた。
10月だというのに東京はまだ暑かった。半袖で十分な程である。中央線に乗り、立川、拝島、東秋留と帰ってくることができ、今回の2ヶ月間にわたるヨーロッパ旅行も無事終了した。自宅のとなりの建築中だった家が、3階建ての立派な家になっていたのに驚いた。
とりあえず風呂に入ったのはいうまでもない...